恋語り―緋風の蝶―/青目京子

本の感想, 作者名 あ行青目京子

貴族の姫君・早子は美しいが好奇心が旺盛で他の姫君とは一線を画していた。そんな早子は嫌々ながら大皇の主催する花狩りに出席し、皇太子のお付きの武士の左近に出会う。幼い頃彼に助けられた早子は、この再会で彼に淡い恋心を抱くようになる。しかし、早子の父を恨む大皇の策略により、入内することになた早子。断れるはずもなく、渋々宮中に向かう早子だが……。


中世日本風異世界を舞台に繰り広げられる、恋と陰謀の物語でした。
これはWHで時々ある「ツボ、このラブは私のツボっ!」というような非常に好みのお話でした。タイトルからしてバラ色ハッピーな物語かと思えば、そうでもなく。どちらかといわなくても早子は行くとこ行くところで受難の連続で、早く彼女が救われるのを願わずにはいられない展開でした。とにかく一途に左近を想う早子。そして、早子の想いを誠実に受け止めながらも一歩引いている左近のこの距離感がたまりません。やきもきしながら読めること請け合い。しかし、ラストは二人に関してはいいかんじにハッピーエンド(?)だったので、満足です。

同じWHでいうなら『雄飛の花嫁』(←数年前の超お勧め作品。感想取り下げ中なのでbk1リンクで)でコレだ、と思ったのと同じテイストがあるように思うのですが……、個人的にはわりとオススメ。

img恋語り~緋風の蝶~
青目京子/樹要(イラスト)
ISBN : 978-4-06-255970-6
講談社X文庫WH
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