鋼鉄三国志 呉書異伝 / 妹尾ゆふ子

本の感想, 作者名 さ行妹尾ゆふ子

玉璽を手に入れ、不可思議で強大な力を手に入れた孫策。玉璽を手に入れた後はまるで人が変わってしまったようになった孫策だが、天下統一という野望を叶えることなく暗殺されてしまう。彼の後を継いだのはまだ幼い弟の孫権。孫策に使えていた武将達は、それぞれの思いを胸に孫権をもり立てる。


あー、このあらすじ嘘です、書けませんでしたごめんなさい。
簡単に言うと「周瑜・孫権・陸遜・太史慈・孫策(収録順)の短編集」です。各所で孫策が絡んでます。

アニメはもちろん未見(しかし、サイトを見る限りえらくぶっとんだアニメっぽいなぁ)、人形劇三国志真・三国無双系のトッピングをくわえるというかなり間違った三国志知識しか持っておりませんでしたが……、楽しめました。まずもって妹尾さんの作品というのが一番大きかったかなあ。派手さはないものの、なんとなくしんみりといい話なのです。それぞれの立場からの物語なので、同じ場面でもまた違った味わいがありました。やっぱりここでも孫策と周瑜の友情は熱いですね。孫策がこの先どうなるかわかっているだけに、せつないものがありました。

孫権かわいすぎ(不覚にも違う意味でときめきそうになった……)とか、太史慈母最強っなどなど他にもいろいろ個人的にはおいしかったです。太史慈母は本当に良かったです。女性が彼女くらいしかいないので、ある意味この物語の正ヒロインです。肝っ玉かーちゃんらぶ。

アニメ公式サイトを見る限り、謎のスーパーパワー(玉璽)やスーパーウェポン(炎烈鎧という武器)などのびっくりアイテムが幅をきかし、敵方の登場人物は総じて怪しさ大爆発の世界みたいなのですが、小説版ではそういうことはあんまり前面に押し出されず、あくまで孫策に惹かれた者たちの物語となっていました。アニメのノベライズという雰囲気はほとんどないので、アニメ見てなくても大丈夫だと思います。

img鋼鉄三国志
妹尾ゆふ子/ことき(イラスト)
ISBN:978-4-86155-183-3
コナミノベルズ(2007.08)
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