死が二人を分かつまで3 / 前田栄

本の感想, 作者名 ま行前田栄

『J・C』の怪しげなコレクションのひとつのタロットカードに触れてしまったがために、カードの巫女と認識されてしまったミカエラ。穏やかな日々を過ごすことを望むミカエラは、面倒事には巻き込まれたくないと巫女になることを拒否するが、彼女の前にやっかいな人物が現れる。


結構お気に入りのシリーズ「死が二人を分かつまで」はなんと2年ぶりだそうで。どうりで細かいところ覚えてないわけだ(←読み返さない)。かなり記憶があやふやなまま読んだのですが、それにもかかわらず十分楽しめました。主に、ミカエラ最強伝説関係で。

クライマックスに向けて一通りの布陣を敷いて完了、というのがこの巻の主な目的らしく、これだと思う燃えポイントはあんまりなかったのですが、それでもやっぱりミカエラのたくましさが輝き、それに反比例するかのごとく『J・C』の生活能力のなさが露呈された印象が大きいです。いや、『J・C』も最後の方で十分面目躍如はしてるのですが、やはりミカエラの最強ぶりには敵わないなぁ。たしかに、ミカエラならあのエリオットもあっけなく倒せてしまいそうに思えてきます。
そして、そのミカエラに一生懸命アプローチをかけているのに報われなさすぎなウォルフ君の健闘が涙を誘います。彼の努力が報われる日が来るのを本気で祈ってしまいそうになりそう。

今回はカールの過去を描いたコミック版(amazon)も大きくお話に関わり(ちゃんと読んだあとで読み返しました……、本編でも十分カバーされてはいたのですが)、予想もしなかっただけに意外でした。最終巻であろう次回はぐんと話も大きくなりそうな感じですし、カールとエリオットの長い戦いにどう決着が付くのか、『J・C』とカールは、そしてウォルフ君は、と見所いっぱいそうなので楽しみです。

img死が二人を分かつまで3
前田栄/ねぎしきょうこ(イラスト)
新書館ウィングス文庫(2007.12)
bk1/amazon