Romeo×Juliet 白き永遠の誓い / 雨宮ひとみ

本の感想, 作者名 あ行雨宮ひとみ

ジュリエットを旗頭に反モンタギューのためにキャピレット家の生き残りがついに立ち上がった。大公が少数の供を連れて出歩くという情報を手に入れて襲撃を決行したジュリエットたちだが、それはキャピレット家をおびき寄せる罠だった。混乱する乱戦の中、ジュリエットはロミオがモンタギュー家の人間であることを知ってしまう。


アニメ版ロミジュリノベライズの完結編。

なんなんじゃこれはー!

とちょっとちゃぶ台をひっくり返したい気分です。……、いや、257ページまでは前巻に引き続きうれし恥ずかしらぶっぷりがすばらしゅうございました。アニメでも表現されていた恋のすばらしさというものが文面からにじみ出てました。詩的というかちょっと直視するのが恥ずかしいくらいのオーバーな表現がこれでもかというくらい物語を盛り上げていてですね……、よかったんですよ。
しかし、読み進めていくうちにだんだんページ数が少なくなっていって本当にこれおわるんだろうか、アニメと同じようなエンディングは無理やからきっと違う方向から攻めてくるに違いないと勝手に想像してたんですが、ほぼアニメに忠実に進んでいくストーリー。最終章はもはやあらすじ。な、なんてもったいなーい!アニメ公式サイトをちらりと確認した限り、はしょられたエピソードももちろんあるとはいえ、最後40ページでアニメ約11話分を進めるのはちと無理が……。エスカラス(ネオ・ヴェローナを浮かべている不思議大樹)もオフィーリア(エスカラスの庭番)も唐突だったなぁ……。もったいないよぅ。アニメ版最高とかそういう考えは全くもって持ってませんが(まあ好きでしたが)、アニメ版がまだ割と納得いく展開だっただけに切なさ倍増。さらに切ないのはウィリアムとティボルトがいてもいなくても別にどうでもよいキャラだったところだ……切ない。

ラストのラストはアニメよりも「原作」に近くなっていてそこはちょっと原作のロミジュリっぽくていいかもしんないと思っただけに、返す返すももったいないです。もう一冊あれば、と思わずにはいられませんが、大人の事情というやつなんでしょうね。世知辛い世の中ですがやっぱりもったいない。

Romeo×Juliet 赤き運命の出会い

imgRomeo×Juliet 白き永遠の誓い
雨宮ひとみ/COM(イラスト)
角川ビーンズ文庫(2008.2)
ISBN:978-4-04-453202-4
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