伯爵と妖精 誰がために聖地は夢みる / 谷瑞恵

本の感想, 作者名 た行谷瑞恵

リディアの母の墓前に婚約の報告をするため、スコットランドに渡ったリディア父娘。そこで出会ったのはリディアの兄と自称する半人半妖のブライアンだった。ブライアンは妖精界に渡る前に妹のリディアと共に過ごしたいのだという。一方、予言者復活のためにリディアをあきらめていないマッキール家の妖精博士パトリックは、リディアを聖地に連れて行くために暗躍する。


コバルト文庫の中でも個人的に一番お気に入りシリーズでこれがアニメ化ですってよ、の伯爵と妖精14冊目。アニメ化に関しては動くニコが見たいという以外は特にこれといって期待するところはないという薄情ぶりですが、見られたら見てみようかなぁ。

いつの間にか前シリーズの魔女婚と同じ冊数になってます。長期シリーズになりましたね。リディアを犠牲にしても予言者復活を目論むマッキール家と、予言者を葬り去ってでもリディアを守りたいと行動するエドガーのガチンコ勝負のお話でした、が、今までの伯爵と妖精と違って一話完結型ではありません。続きが、気になる~。

今回のメインポイントはマッキール家vsエドガーなわけですが、個人的にはニコも外せません。ニコ……、私は信じてるよ、と思わずにはいられない展開です。今まではあんまり隠し要素のない癒し妖精猫だと思っていたのですが、ここにきて何か大きな秘密を抱えてそうな気までしてきました。今後のニコの動きにも要注意かもしれません。
エドガーとリディアの甘展開に関しては、リディアがかわいくてもうこのやろうーとジタバタしてしまいそうになります。成長したなぁ、リディア。そして、終盤の展開も辛い立場におかれたリディアとエドガーの現状が分かるだけに、苦しいものがあります。こういう展開は辛いものがあるんだけど、でも醍醐味でもあるよね、とちょっと鬼な感想をもってしまったりとか……。

エドガーとリディアの目の離せない今後の展開と同じくらい、レイヴンとニコさんの今後の友情の行方も気になります。レイヴンがここまでかわいくかつツッコミ上手になったのも、ニコの存在があってこそだと思うんだ……。何気なく好青年っぷりを発揮するマッキール家のファーガス坊ちゃんとエドガーの共闘なんかにも期待しながら、続きをまちたいと思います。

伯爵と妖精 紅の騎士に願うならば

img伯爵と妖精 紅の騎士に願うならば
谷瑞恵/高星麻子(イラスト)
集英社コバルト文庫(2008.03)
ISBN:978-4-08-601133-4
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