天啓のパルティア 暁の魔女は夢をみる / 真朱那奈

本の感想, 作者名 ま行真朱那奈

パルティア付きの侍女に「白き庭」で仲の良かった元聖女がつくことになり、今まで窮屈な想いをしていたパルティアは充実した日々を送ることになる。そして、国を挙げて行われる”満潮祭”の日がやってきた。連日続けれられる各種のイベントに姫巫女として多忙な日々を送るパルティアだが、彼女を狙う不審な集団が現れて……


天啓を受る力を持つがんばる巫女パルティアとその婚約者の王子様のどたばた(?)ロマンティックファンタジー。今回はパルティアが天啓を回避するために暴走するということはなかったのだけど、反体制な組織が出てきてパルティアを狙って……というお話……でしたが、正直そこら辺よりもかわいいおんなのこがわきゃわきゃと楽しそうにお茶を飲んだりきれいな物を選んだりしているところによだれ……じゃなくて心が和みました。かわいいがんばる女の子は存在するだけで正義です。パルティアも新侍女も元気でかわいい系なので場が華やいでよいですね。
あとは少女小説的な山場はラストのアレでしょうか(挿絵あるやつ)。外で読んでたので思わず2ページほど飛ばして家でゆっくり読ませていただきました(ヘタレ)。

1冊目よりだいぶ読みやすくなっていて、そしてお話も広がってきました。いろいろと国を揺るがそうとする組織がこれからもでてきそうですが、今回のはちょっとあっけないというかラストのオチにもう1・2冊がんばった方が面白いんじゃないかなーと思ってしまったりも。ええいいのそれでハルバート君!っと突っ込みたいような、そんな感じで。ハルバート君がしきりに言っていた父に対抗したい(注:超訳)という点ではそれはそれでありかなぁ、とも思いますが。超人ハルバートがさらに非の打ち所がないということが明らかになりましたが、最後の方でちょっと人間らしいところがかいま見られて安心しました。そうだよ、彼も人間だよ……。
今回のを読む限り「ラスボスは皇帝」などと超展開を予想してみたりしたのですが、果たしてどうなるのでしょうか。

img天啓のパルティア 暁の魔女は夢をみる
真朱那奈/薄葉カゲロー
B’s-LOG文庫(2008.08)
ISBN:978-4-7577-4376-2
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