フェル・ルトラウスの珠 赤竜と目覚めの王子 / 夏目瑛子

本の感想, 作者名 な行夏目瑛子

スティルードの王子セレムは親友のリーナスとダリュスの兄弟を連れて、国を救うために魔物に対抗する力を求めてイズート国にやってきた。しかし、道中ダリュスが魔物の毒に犯され、徐々に魔物化してしまうというピンチに陥る。セレムとリーナスはダリュスを救うためにイズートが募集しているという傭兵に志願し、王女を花嫁に狙っているという竜と戦うことになるのだが……。


第10回エンタメ大賞ガールズノベル部門佳作受賞作の新人さん。なんといいますか、一言で言うととても元気なお話でした。波に乗ってしまうと最後まで読めるけど途中疑問を感じたらきついかもしれない、みたいな……。

帯のあおりに「王子の僕が竜の花嫁に!?」とか書いてあって、イラスト見る限り女の子と間違われるようなかわいい系の王子様そうだから女装でもするのかなぁと思っていたんですがそれ以上のことが起きました。正直言って驚きました。これは、受け入れられる人と受け入れられない人がいるんじゃないかなぁと人ごとながらなんか別のことが心配になりました。私はこの話に関してはどちらかというとアウトでしたけどね(どきっぱり)!同じネタでも全く気にならない場合もあるけど今回のはちょっと、なんというか、生々しくて……。
と、話がだんだんそれてきましたが。お話自体はわりと面白くて、国のピンチを救うために不思議パワーを求めてイズートにやってきた一行が大変な目に遭う話。悪役の手下、妹様におびえる竜がちょっと面白かった。もっとがんばってほしかったんですが妹様が最強だからなぁ……。
力技でぐいぐいと進んでいく展開で、最後の最後はおおっと、と予想外の展開でこれまたびっくり。俺たちの戦いはこれからだぜ!みたいなラストだったので続きも出そうな気がします。

フェル・ルトラウスの珠 赤竜と目覚めの王子
夏目瑛子/結川カズノ
B’s-LOG文庫(2008.09)
ISBN:978-4-7577-4435-6
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