魍魎の都 姫様、それはなりませぬ / 本宮ことは

本の感想, 作者名 ま行本宮ことは

なかなか終わらない雨の季節、諾子は山吹の花の横で泣き続ける子どものあやかしの姿に頭を抱えていた。意を決してあやかしに話を聞いてみると、水無瀬に帰りたいのだという。姫君の諾子が一人で気軽に行ける場所でもなく、最近懇意にしている則光に相談してみる諾子だっが、則光の何気ない一言に物別れに終わってしまい、ついに実力行使に出てしまう。


姫様シリーズ(といま勝手に命名しました)の2巻目で……完結編ってどいうこといまからここからおいしいんじゃないですかー(一息でお願いします)と思わず文句を言いたくなるほど面白かったです。でも後書き見る限りのぞみを捨てちゃいけないと思うんだ……確かにこれで終わりといわれたらいわれたできれいに終わったなぁとは思うけど。

といろんな事はさておき、諾子と則光の一進一退の関係にやきもきしてゴロゴロでしたごちそうさま。こう、諾子の則光に対する「ツン」なところってとってもかわいいんですよね。とがりすぎてなくてなんだかとてもほほえましくて。今回の二人の保護者役・季武と一緒にニヤニヤすること請け合いですああおもしろかった。
悪役がラストちょっとだけの登場で今までのに比べてかたすかしーとかあるんですが、もうそこに至るまでの過程がとてもすばらしいのでこの際無問題です。おもしろかった!


魍魎の都 姫様、それはなりませぬ
本宮ことは/堤利一郎
講談社X文庫WH(2008.11)
ISBN:978-4-06-286573-9
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今回の舞台、山崎とかえらいなんか渋いところついてきたなぁと感心してました。しかし、島本~山崎間というと超爆睡ポイント(もしくは暗くなってる+読書ポイント)なのでどんなとこか景色が思い出せない……(島本駅ができたことにすら一ヶ月くらい気付かなかったのはこの春のことです。最近できた桂川駅にもしばらく気付きませんでした)。