王女修業、ごろうじろ。 / 高丘しずる

本の感想, 作者名 た行高丘しずる

昔なじみのフーゴの最後の依頼からとある人物を助けだすことになったセットだが、同時に謎の高貴な人物より贋金作りの犯人を暴くように依頼を受ける。不審に思いながらも、救出と捜査のためにハルネスの地に向かうことにしたセットは、王女としてハルネスを視察中のエリーザベトと遭遇する。エリーザベトは以前たこ殴りにした貴族との和解のためにハルネスに滞在中だったのだが、なにやら王位を狙う陰謀に巻き込まれて……


王女修業の3冊目で完結編。救出作戦+贋金のメインの事件の部分では3作中で一番面白かったとは思うのだけど、エリーザベトとセットの関係とか王家のあれこれとかは超高速で話が展開していって正直もったいないと思いましたというかあともうちょっとなんかフォローを……。7つの誓いのところとか、エピローグでエリーザベトが置かれた状況に至った過程とか、気になりませんか同志達よ。たぶんあと2つか3つくらいエピソードを補完したらすっきりつながるんでしょうが。

そこら辺はとりあえず置いておくとして、事件の解決までの展開だとか女王をはじめとしてエリーザベトを取り巻く人々のあれやこれやなどは楽しかったです。なんやかんやで愛されてる王女様だなというところがよく伝わってきました。

前シリーズと違って「完結」しているというところはもやもやとしないのがいいんですが、いろいろすっ飛ばしてのエピローグに途中経過はどうなったんですか!というところが非常に気にかかって仕方がありません。というところ以外はおおむね満足な完結編でした。
あと、王家の系譜のあたりは該当箇所三回くらいよんだけど未だに理解が追いつかないですね!(何となく分かれば物語を理解するのに支障はない)。

王女修業、ごろうじろ。
高丘しずる/由貴海里
エンターブレインB’s-LOG文庫(2008.11)
ISBN:978-4-7577-4536-0
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