アネットと秘密の指輪 お嬢様と花のワルツ / 雨川恵

本の感想, 作者名 あ行雨川恵

無事に国王との謁見を済ませたアネットは、顧問弁護士ユージンの実家であるローズウォール公爵家主催の夜会で社交界デビューを果たすことになる。想像以上に豪勢な夜会に圧倒されるアネットだが、国王との謁見で最悪な初対面を果たした王太子に妙に絡まれる。


下町育ちの元気なお嬢様と隙のないクールな執事、そして美形でいい人の顧問弁護士の繰り広げる英国社交界を舞台としたサクセスストーリー第3弾。

今回のストーリーは三角関係勃発か!というような展開。お嬢様は相変わらず執事が好きなんだけど執事はそれに気付かず、それどころか無意識のうちにお嬢様と弁護士の急接近にヤキモチを焼いており、そして弁護士は周囲がお嬢様をターゲットに仕立てようとしていることに気付かず(?)相変わらずいい人、というなんとも読んでいてニヤニヤしてしまうお話でした。執事はいつ自覚するんだろう。そのときがとても楽しみだ……。陰謀関係も見え隠れ、ですが今回はこのそれぞれの立ち位置が絶妙でとても今後の展開が気になるところです。
そして、メイン三人以外の所では「妖精さん」の大活躍がとても素敵でした。近づけば大げんか、のような関係ですが、アネットと仲良くなったらきっととてもいいコンビになると思います。

ひとつ不満があるとすれば執事のダンスレッスンのシーンがなかったことかな。執事は無意識ヤキモチの時期なのでそれはそれは厳しいレッスンだったでしょうが、なんというか、ダンスはお嬢様レッスンの醍醐味だと思うんだ!(ここは譲れない)

アネットと秘密の指輪 お嬢様と花のワルツ
雨川恵/風都ノリ
角川ビーンズ文庫(2009.03)
ISBN:978-4-04-450712-1
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