≪力≫よ、と叫ぶ者 真・運命のタロット3 / 皆川ゆか

本の感想, 作者名 ま行皆川ゆか

失った記憶を取り戻すために、≪死神≫とのフェーデに臨むことになった≪女教皇≫。ソビエトから発射される核ミサイルを西側に落とし、全面的な核戦争を引き起こそうとする≪死神≫の協力者田村の計画を阻止するため、≪女教皇≫は≪魔法使い≫と共に核の実験場のある中央アジアに向かう。


真運タロ第3巻、≪死神≫とのフェーデの開始と、フェーデの下準備編。
今回のフェーデはそれぞれ他のタロットに助っ人を求めることができるという内容ですが、≪女教皇≫たちの助っ人は≪恋人たち≫。おお、この≪恋人たち≫は(ティターンズから見て)いい≪恋人たち≫だ。白≪恋人たち≫とでも称することにしておこう。

下準備編っぽいのでそんな大きな動きはないかな、と思っていたら最後にどばんと第1部から不気味なダークホースまっしぐらのあの人(?)の存在が。本当にあの人はどこまで世界をかき回していくんだろうと思わずにはいられません。そしてなんて意思の強い人なんだろう、と。亡者の状態になってるとはいえまだ残っていると言うことはもともとの意思が強くないと無理ですよね……。あの言葉が出るだけで物語の展開がとても不気味になります。そして、今回登場したティターンズのタロット≪力≫。とてもクールビューティーっぽいですが、いろいろ裏がありそうなお姉様です。プロメテウスも一枚岩じゃなければティターンズも一枚岩じゃないよなぁというやりとりでした。
白≪恋人たち≫が黒くなってしまうのはこの事件が絡むことは間違いなさそうなので、彼の動向を含め、このソビエト編、どう展開していくのか気になります。

img≪力≫よ、と叫ぶ者 真・運命のタロット3
皆川ゆか/乱魔猫吉
講談社X文庫ティーンズハート(1997.08)
ISBN:4-06-199755-6
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