ヴァンパイア・プリンセス / 水戸泉

本の感想, 作者名 ま行水戸泉

千年の時を生きるファウスリーゼは死者を屍鬼として蘇らせる力を持つリリスとして孤独な生を生きていた。屍鬼は生きるためにファウスリーゼを恋い慕うが、彼女の屍鬼である真木名だけは他の屍鬼とは違いファウスリーゼに対に傲岸不遜な態度を取る。

噂に違わぬえろえろっぷりでした。

見た目少女の吸血鬼(というよりむしろ淫魔。なぜなら吸血描写全くなかった)と、その手下のはずなのに妙にえらそうでファウスリーゼを翻弄する真木名、でもってファウスリーゼを狙う他のリリスが暗躍する話。話の一番最初にファウスリーゼの手下に新たにくわえられた犬系少年がメインかと思えばむしろ空気で(……もう一人の知的メガネ手下の方がさらに空気)、ちょい悪系な人がほぼ主人公でした。これはびっくり。

すごいすごいといろんな感想よんでたんですが、確かにすごかった。あのシーンすっ飛ばしたらたぶんずいぶんあっさり終わってしまうと思います。の・う・こ・う!
しかし、だからといって話がないわけではなく、ファウスリーゼの心の癒しだったあの昔の少年の真相は?とか真木名がどうしてここまで好き勝手してるのか、とか他のリリスってとか、そこらへんの真相部分も面白かったです。冷静に考えてみるとかなりロマンチックな胸キュンラブだよ!

がっつりえろえろ読みたければ文句なしにオススメですが(胸キュンもできる)、これ、他の少女小説と並べておくのは危険すぎると思う。混ぜるな危険!的何かに分類せねばならんというか……。

img ヴァンパイア・プリンセス
水戸泉/南国ばなな
ティアラ文庫(2009.06)
ISBN:978-4-8296-6505-3
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