アラビアンズ・ロマンス 花嫁は王の腕で微睡む / 仁賀奈

本の感想, 作者名 な行仁賀奈

北海道の零細牧場で父と二人ギリギリの生活を送っていた寧々は、アラブ某国の王子様カディールに見初められて、愛馬サチを盾に無理矢理ハレムに入れられる。寧々はサチと共に日本に帰ることばかりを考えるが、カディールは寧々に正妃となる儀式を受けるように命令する。

さらわれた平凡な日本人女子がハレムでいろんな目に遭う話。

タイトルから歴史物的な物語を期待していたのですが(注:そんなに詳しくないので全くこだわりがあるわけではありません)、ごくごく普通(?)に現代物でした。
ヒロインさらわれる→オイルマネーでうはうはの某国の王子(実質は王様)に振り回される→逃げたくなる→いろいろ事件に巻き込まれて→ハッピーエンド、というある種王道な展開。そしてとてもエロスでした。エロスなシーンが多くて、よくよく考えてみると展開早っな程度にいろいろ光速で進んでいきました。最大の山場で終わった方が良かったんではないかと思わなくもない。

個人的にはヒロインには「こうなったらハレムで成り上がってやるぜ」的な男前の展開を期待していたのですが(それなんていう女神伝)、それとは180度くらい方向性が違うヒロインだったので若干読みながらストレスが……うーん、ロマンティックな展開といえばロマンティックな展開だったんだけど、ヒロインがどうも好きになれずおもしろみ半分、かな。王子様のトラウマなんかもうまく調理したらとても効果的だったと思うんだけど。

アラビアンズ・ロマンス 花嫁は王の腕で微睡む
仁賀奈/南條パピコ
ティアラ文庫(2009.08)
ISBN:978-4-8296-6511-4
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