FLESH & BLOOD 13 / 松岡なつき

本の感想, 作者名 ま行松岡なつき

仲間に病気を移さないために、なんのかんのと理由をつけて皆から距離をとるカイト。そんなカイトの態度に不審なものを感じたジェフリーは、預かりしれぬところで進展したカイトとビセンテの関係にいらだちを隠せなかった。ウォルシンガムの目を盗み、プリマスに上陸したカイトは、リリーの力を借りできる限りの療養を行うことにするが、症状は日に日に悪くなるばかりで……

グローリア号、愛の寸劇に感動した。

イギリス帰還編。カイトが日に日にやつれていく姿が痛々しい。そして、仲間たちに心配と負担をかけないようにと心を配り健気に振る舞う姿が本当にいじらしくて切なくなりました。
対するジェフリーは、カイトが距離を置くことに納得いかず実力行使に出たり……、と。読者としてはカイトが距離を置いている理由が分かるだけに、ジェフリー分かってやってと思う一方で、カイトにめろめろなのでジェフリーのじれったさも分かるというとてももどかしいやりとりでした。

そして、カイトが大事にする親友の和哉も着実に「カイトのいる世界」に近づいているようで。和哉はカイト方面に合流するのかな?和哉までやってくるとなると、さらにいろいろややこしくなりそうで心配だ……。カイトと和哉の属する陣営が違うとかそういうベタながらもきつい展開は嫌だなぁ。

和み方面はグローリア号の仲間たちで。迫真の演技にドキドキしつつも笑いました。みんないい人だ。

FLESH & BLLOD 13
松岡なつき/彩
徳間書店キャラ文庫(2009.06)
ISBN:978-4-19-900527-5
bk1/amazon