なんて素敵にジャパネスク2 / 氷室冴子

本の感想, 作者名 は行氷室冴子

無事帝に即位をした鷹男は相変わらず瑠璃姫にちょっかいを出してくる。そして結婚寸前まで行った高彬は帝に遠慮してかまたもや煮え切らない態度に戻ってしまう。そんな高彬にぶち切れた瑠璃姫は、出家しようと縁の尼寺に駆け込んだ。そしてその夜、瑠璃姫の実家である三条邸が何者かに放火されるという事件が起こる。犯人は瑠璃姫をに恨みを持つ者らしく……

雪原のシーンはシリーズ最大の涙腺クラッシャー

ジャパネスク第二巻、謎の美僧が巻き起こす帝と瑠璃を狙う事件の数々とその決着の物語ですが……、改めて読んでみると(10年以上ぶりくらいに再読)、本当に切なく悲しい物語なんだなぁと涙腺が決壊しそうになりました。初めて読んだときはここまでどしんときた覚えがないんですが、鷹男もかの人も、本当に辛い。いろいろな状況が折り重なり不幸な結末となってしまい本当に切ないです。本当に守りたかったのは大事な人だけだったのに。

そして若干影が薄いものの、終盤以降の高彬のかっこよさは反則だ。あれ、高彬ってこんなにかっこよかったっけ?と目を疑って(失礼)、何回か読み直してしまいました。やっぱり瑠璃には高彬なんだなぁとあらためて思えるほどのかっこよさでした。

なんて素敵にジャパネスク2
氷室冴子/後藤星
集英社コバルト文庫(1999.04)
ISBN:4-08-614569-3
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