黒の騎士と赤の淑女~神の眠る国の物語~ / 剛しいら

本の感想, お気に入り, 作者名 か行剛しいら

ゴシュラム騎士団でひときわ目立つ美しい女性騎士レディ・ジョージア。女性として扱われることをよしとせず、終始徹底して清く正しい騎士として行動する彼女の生き方には、ある出生の事情がからんでした。そのレディ騎士の生い立ちが今明かされる。

レディ騎士の生き様が格好良すぎます。

おおむらよしえさんイチオシのレディ騎士外伝。

本編のクライマックス直前に、とレディ騎士の生い立ちを描いた番外編です。そんじょそこらの騎士よりもよほど騎士らしく、剣の腕も並の騎士では太刀打ちできず、騎士道精神に溢れすばらしい知識を有する彼女の秘密に迫った一冊。家庭の事情から男として育てられるものの、途中で急遽女として生きることを命じられ……とあらすじを聞いただけでいろいろ胸キュンしましたが、その期待に反せずとてもツボなお話でした。基本的に男装の麗人大好きなですが、レディ騎士は個人的素敵男装の麗人ランキングのかなり上位にランキングします。かっこいいなぁレディ騎士。自分をあのような状況に追いやった家族を憎むのではなく認め、そして自力で自分の望む道に進んでいった姿に惚れます。

今と昔が交差する終盤の展開もとてもいい。お父さんもなんやかんやと憎めない人なので、時を経て親子が認め合うという落ち着き方がこれまたこのみで、確かにこの話を読むためにこのシリーズを読むというのもありだな、と思いました。

黒の騎士と赤の淑女~神の眠る国の物語~
剛しいら/佐倉汐
B’s-LOG文庫(2007.10)
ISBN:978-4-7577-3808-9
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