384,403km あなたを月にさらったら / 向坂氷緒

本の感想, 作者名 か行向坂氷緒

幼稚園以来ずっと理世に片思いしている美由紀は、運良く(+美由紀の努力)で理世の通う女子校に入学することになる。理世に近づくための完璧な脳内計画を立てていた美由紀だが、理世を前にするととたんに何もかもがうまくいかなくなる。そんな美由紀は学内でも有名な変な上級生に、謎の「恋愛勉強會」なる会の活動に誘われる。諸処の事情でその会に参加することになった美由紀は、理世もその会に入会していることを知り……

策士(自称)の女の子が、初恋のあの子を手に入れるためにあの手この手を尽くす……はずなのに、のガールズラブ。

ついったーででるたさんとかうららさんとかt-snowさんにこれはいい!とオススメされて釣られました。基本的に同性同士のお話というのがとても苦手なんですが、そしてこれは直球でその系統なのですが、あんまり気にならないほどそこに至までの過程が楽しかったです。

計算高い策士(ただし自称)で理世に対しては変態の自覚もある美由紀が理世の心を得ようと四苦八苦する様子がとてもおもしろいです。美由紀のセルフツッコミが容赦なくてすごいわ……。対するターゲット・理世は天然ってこわいなぁという位の天然さん。彼女の内面も若干語られはするのですが、あそこまで見事に美由紀を手玉に取るのはもう才能としかいえませんね。
うららさんは主人公はルルーシュを連想した!とおっしゃっていましたが、私は某ガンダムのディアッカだと思いました(狡猾の「こ」が抜けて「うかつ」なディアッカ)。……というわけで私この主人公結構好きです。……。

基本的にドタバタラブコメなので、百合方面が苦手な人でも大丈夫かなぁと思いますが、終盤とてもえろえろなので、百合以外にもそちら方面も注意が必要です。

384,403km あなたを月にさらったら
向坂氷緒/玄鉄絢
ティアラ文庫(2009.09)
ISBN:978-4-8296-6515-2
bk1/amazon