天啓のパルティア 黄昏の王が舞い降りる / 真朱那奈

本の感想, 作者名 ま行真朱那奈

成人の儀を終え、ハルバートは正式な皇位継承権を得た。ハルバートは体調のすぐれない皇帝に代わり摂政として政治を取り仕切りはじめたため、以前にも増してパルティアはハルバートにあえず退屈な日々を過ごすことになる。パルティアはご令嬢達のお茶会で「あの」ガイエン公縁の伯爵令嬢と知り合い、彼女の屋敷を訪問することになる。ハルバートと共に屋敷を訪問したパルティアは、ガイエン公の罠にはまり……

後半の盛り上がりがよかったです。

久しぶりのシリーズ4巻目。皇位を巡るガイエン公の意地の悪い、性格の悪い罠がパルティアとハルバートに襲いかかるお話でした。
パルティアの一族の悲劇や、皇帝の心の闇などいろいろパルティアにとって重たい展開てんこ盛りで中盤までは読むのがちょっとつらいなぁ、と。確かにあの年齢を考えるとパルティアの揺れはしょうがないというか納得の展開なんですが、ちょっと苦手なぐるぐる具合。しかし、ダメだ挫けそうだと思ったところで思わぬ熱い展開が始まって一気読みでした。なんというか、いろいろ予想外。
クライマックスも近いように思いますので、どう着地していくのか続きも楽しみです。

天啓のパルティア 黄昏の王が舞い降りる
真朱那奈/薄葉カゲロー
B’S-LOG文庫(2009.09)
ISBN:978-4-726012-2
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