伯爵と妖精 白い翼を継ぐ絆 / 谷瑞恵

本の感想, 作者名 た行谷瑞恵

妖精国の地図を解読するため、伯爵家に合流したフランシスをその手がかりのあるらしいウィッカボーンに向かわせたエドガーは、リディアと共にのメースフィールド公爵のカントリーハウスに向かう。カントリーハウスにはエドガーに「運命を感じた」というご令嬢がおり、彼女の巻き起こす騒動にリディアの心は乱され……

フランシスが正式加入した伯爵一味、みんないい味だしてるなぁ……。

解読不能な妖精の地図を手に入れて、さてどうやって解読する!という謎に迫る一冊。
青騎士伯爵が残した手がかりにある意味合いを感じ取ったり、ちょっと落ち着いてきたとおもったマッキール家の暗躍があったり、まさかのそっちにつながるかーという驚きの展開だったり [1]基本的に洞察力がありません。彼女関係はインターミッション的なモノかなぁと思ってたんですが、今後もがっつり絡んでくるようです。
今回の謎解きは、「白鳥」と「翼」絡みで最後のシーンがとても鮮やかだったのが印象的。いろいろ頭の痛い問題を片付けた後だっただけに、より鮮やかに感じたことでしょうねぇとちょっとしんみりしてしまいました。

リディアとエドガーのお決まり展開(気まずくなって仲直り)は毎回お決まりなのでそこそこたのしめるんですが、もうそろそろちょっとお決まりすぎ(略)……とは思ったんですが、まあいつも通り面白いので。それぞれの背負うものをそれぞれが支えていくというとても素敵な関係が着実に構築されていく様子はいいなぁと思います。
そしていつも通り面白いレイヴンのツッコミ。今回はニコとの友情よりケリーさんとの漫才が面白かったです。ケリーもケリーで気苦労が絶えなくてたいへんだな。今まで伯爵家にいなかったタイプのフランシスも仲間に加わり、それぞれの立ち位置がとても面白いです。

続きは少しあくとのことですが、最後に爆弾発言を残していった予言者関係や新たな種をまいていったユリシスといろいろ目が離せません。間に「花咲く丘~」でもはさむのかな?といろいろ期待しながら待ってます。

img伯爵と妖精 白い翼を継ぐ絆
谷瑞恵/高星麻子
集英社コバルト文庫(2009.11)
ISBN:978-4-08-601345-1
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References

1 基本的に洞察力がありません