石霊と氷姫(上) / 西魚リツコ

本の感想, 作者名 な行西魚リツコ

騙り屋として各地を放浪しながら旅を続けるアルは通りかかった村でトラブルに巻き込まれているテオを助ける。目的地が同じことを知ったアルは、無理やりテオを仲間に引き込むが、投宿した街で国を揺るがす事件の一端にかかわってしまう。幼なじみとの再会のため旅を続けるアルと復讐のために旅を続けるテオ。交わりそうにないこの二人の旅の理由が交わり、アルは大事件に巻き込まれる。

幼なじみモノ!って信じたいんですけどいいんでしょうか?

前作がしっかり目のファンタジーで好印象だった西魚さんの新作。前作より若干ライトかなぁと思いつつ、どどんと読み進めていきました。今回、前作のこともあっていつどん底に突き落とされるのだろうと少々戦々恐々としながら読みましたが、うん、中盤のアレも前作に比べたら全く問題ない。ただの山あり谷あり波瀾万丈人生だ。そして、なにより今回はヒロインがとにかく前向きなのがいい!各種の辛い経験をして、の結果ではあるのですが、幼なじみに会うために口八丁でがんがん前のめりに進んでいく姿が良かったです。これ、ストレスたまらない(笑)。
タイトルにもなっている「氷姫」についてはまだまだ謎がいっぱいのお姫様でどうなるのかなぁ、とか、テオとリースのタッグはどうなるんだろうとか、お馬王子の活躍が気になって仕方がないとか、王座を揺るがす大事件に発展しそうで楽しみだなぁとかいろいろ続きも楽しみです。

img石霊と氷姫(上)
西魚リツコ/NATSU
幻狼FANTASIA NOVELS(2010.02)
ISBN:978-4-344-81860-6
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