浪華疾風伝 あかね 弐 夢のあと / 築山桂

本の感想, お気に入り, 作者名 た行築山桂

自害の直前に母から聞いた衝撃的な言葉から心揺れる日々を送る茜。そして、茜に詳細を伝えず、待っていろという言葉のみを残してどこかに行ってしまった大助。逗留先の旅籠の奥で引き篭もっている茜であったが、生き残った父の忠臣との会合の手はずがつくと聞き、一人でその地に向かうことにする。

いろいろキュンキュンしたした!

男装して逃亡生活を続ける豊臣の遺児・茜と彼女に付き従う真田家の若武者、そして大坂を守る謎の一団に大坂商人がそれぞれの思惑で「豊臣の遺児」を巡って暗躍し、さらに茜が秘密を握っているという「豊臣の遺産」までからんできて……という大坂を舞台にした時代小説第2段。前作がもの凄いところで終わっていてどうるんだろう、とドキドキしながら読んだんですが、母上の言葉そのものよりも大助の不在の理由に心揺れてる茜ちゃんにちょっとびっくりだった。いや、その乙女心に揺れる茜ちゃんがめっちゃかわいかったので問題ないですが!とりあえずは、大助もっと喋って!の一言に尽きそうです(笑)。 豊臣家の姫としてのぴしっとした凛々しい一言がとても格好良く、茜ちゃんに惚れ直す一方で大助が何考えてるのかよく分からないところも多いので大助にもスポットライトを当ててほしいな、などと。

鴻池屋や甲斐などの大坂組の活躍も良かったです。甲斐の「在天」という言葉がはっきり出てきたときは来た来たっ!と思ってあの本たち [1]緒方洪庵先生の青春時代と男装の麗人にニヤニヤするといい!をおもわず……。
大坂舞台!なのでどこがどこかすぐわかる、というかむしろすぐそこやん的な楽しみもあってこれは地元人の楽しみ方かもーという所も良かった~商人の街大坂いいよ大坂!

img浪華疾風伝 あかね 弐 夢のあと
築山桂/藤田香
ポプラ文庫ピュアフル(2010.03)
ISBN:978-4-591-11679-1
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