グランドマスター!黎明の繭 / 樹川さとみ

本の感想, 作者名 か行樹川さとみ

新婚夫婦を装いシーカとともに逃亡生活を送るハルセイデスだが、日々人から遠ざかっていくシーカに不安を覚える。解散した黎明の使節団の面々はそれぞれがの特技を用いてシーカとハルセイデスの行方を捜していたが……

まさかのノールソール大活躍。

クライマックス直前巻。シーカから見たシーカの生い立ちが語られましたが、大食い総長がそんなことを考えていたなんて……!と切なくなりました。途中からこの人はシリアスな人だな、と気付いたのでびっくりはしないのですが、そこまでとは……といった切なさで。これを読んだあとに序盤を読み返すと、彼女のあれやこれやの奇行も印象が変わってしまいそうです。

シリアスな中でもハルさんとシーカの偽装新婚生活がそれなりに楽しかったのですがこれも終わりを告げ、物語も幕に向かって一直線です。バラバラになった使節団も、双子のレストランにお父さんの研究、美少年メイドになった会計君に闇の教団と急接近の閣下、(主に少年のおかげで)問題を起こしつつハルさんにたどり着いたたれ目に黒づくめと各々が各個性を発揮して一カ所に集まりつつあるかな?腰ミノさんの砂だけは理解できないけど、きっと何か理由があるはず!

imgグランドマスター!黎明の繭
樹川さとみ/松本テマリ
集英社コバルト文庫(2010.06)
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