佐和山物語 時の花嫁とはじまりの歌 / 九月文

本の感想, 作者名 か行九月文

都に上った直継だが、市中で「もとの時」に戻ったはずのあこと再会する。直継と別れた前後の記憶をなくしているあこの姿に、自分の「許嫁ではないあこ」と別れる決意をしたはずの直継の心は……。

時渡りの仕組みもあかされ、これにて大団円!の最終巻でした。

しかし、1回読んだだけではあこの時渡りの仕組みは理解できなかった……(あかされるのと理解するのとはまた違うからね!)。もうこのあたりの仕組みの理解については、実は2巻目あたりで投げているものの、どう決着をつけるかは気になっていて(「直継の元に嫁に来るあこはどうやって時空の流れをねじ曲げるか!」的に)、なんかちょっと反則くさいなぁと思いながらも……うまくいったので良かったです。くえないお兄ちゃんもお兄ちゃんズキー的に面白かったのでこれも満足だなぁ。

三成チームとの決戦も、何とか決着がついた……模様?若干拍子抜けしたんですが、いやでもこのお話のメインは怨霊との戦いじゃなくて、いつの間にか直継様がデレてるところだから!急に糖分過多になって攻めまくる直継に押されるあこ、が最後も見られて満足だ、と思っていたらどうやらこれで終わりではない模様で。短編集が10月に出るとのことなので、そちらもまだまだ楽しみです。采女殿の活躍がほとんど無かったので、短編ではちょっと期待してる。

img佐和山物語 時の花嫁とはじまりの歌
九月文/久織ちまき
角川ビーンズ文庫(2010.07)
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