白と黒のバイレ 踊れ、終演のカンテと共に / 瑞山いつき

本の感想, 作者名 ま行瑞山いつき

魔物ペルドゥラルとともに姿を消した妹のレオノーラを探すため、ブランカ達はマルディシオンの勘を頼りに北上していた。リリアナの婚約者トマスのもたらした情報より、北方では疲弊したマルアスル王国に反旗を翻そうとする動きがあることをつかんだブランカ達は、その背後にペラドゥラルの影を疑う。

マルディシオンの長期計画に感心した。

最初から三巻完結予定だったというバイレ最終巻。ブランカの解呪+マルディシオンは果たして体を取り戻せるのか+ブラック妹姫の進んだ道+ブランカの輿入れ先やいかに、と伏線全部回収しての大団円の完結編でした。リリアナは侍女の鏡。

最初読んだときはブランカとセロの隠しても隠しきれないお互いへの想いという部分にときめきましたが、是非魔王ルートで派に目覚めてしまってからはほとんどブランカとセロの関係にときめかな(略)、だったのでなんというか、そうかーという中途半端な感動しかいだけなかったのですが、そんな中でも独特のポジションと長期計画に切り替えた魔王さまの泰然としたお姿がよかったです。なんやかんやで狼姿が板につきすぎている。
個人的にはリリアナとトマスのその後とかがとても気になります。某弱みから確実に尻に敷かれているトマスが目に浮かぶのです。来月出るという短編に入ってないかな!

img白と黒のバイレ 踊れ、終演のカンテと共に
瑞山いつき/結川カズノ
角川ビーンズ文庫(2010.08)
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