横柄巫女と宰相陛下 もっとふたりで / 鮎川はぎの

本の感想, 作者名 あ行鮎川はぎの

無事にカノンと婚約したノトは、スライと結婚したローロのお茶会に出席し、そこで貴族の妻の鑑といわれる夫人に「結婚生活の秘訣」を伝授される。夫人の話を聞き、それぞれ思うところのある、ローロ、キルテ、そしてリリィにノトは……

各所で花が咲き乱れておりました。

シリーズ完結祝いのおまけの短編集。これぞボーナストラック!とめちゃくちゃニヤニヤしながら読んでしまいました。もしかしなくても、外で読んだらたぶん怪しい人すぎます。

シリーズ本編が(それなりに甘いところはあったものの)わりにシビアに進んでいったのに対し、こちらは初っぱなからフルスロットルです。特に宰相陛下。本編でもあなただだ漏れだったわよ、と思いながらも、あれでも自重してたらしいですよ!恐ろしい男です。
本編のサブタイトルをもじった各話でそれぞれの「花嫁」(カップル)に焦点が当たっていて、どれも幸せいっぱいで大変ごちそうさまでした。ローロはかわいいし、キルテは乙女だし、リリィもなんかちゃんとヒロインだし、終盤で株がストップ高のエリオはなんのかんので幸せそうだし。そしてノトもカノンもとてもお似合いだし。ただ、オディルさんは(おもしろいんだけど)全力で逃げても逃げ切れるのかな……といろいろ心配でした。最後まで苦労性のようです。

シリーズの締めくくりとして、よい短編集だったように思います。後日談大好き人間なので余すことなく堪能できたと思います。次回作も楽しみ。

img横柄巫女と宰相陛下 もっとふたりで
鮎川はぎの/彩織路世
小学館ルルル文庫(2010.09)
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