グランドマスター!名もなき勇者の物語 / 樹川さとみ

本の感想, 作者名 か行樹川さとみ

神をおろす「器」として自我をほぼ失ったシーカを保護していたハルセイデスだが、シーカを狙う闇の勢力がふたりと、そして合流していたカイたちを襲った。シーカを奪われたハルセイデスは、闇の女神復活の地にシーカを取り戻しに向かうが……

感無量、の最終巻でした。

シリーズ11巻目にして最終巻。シーカが行動しないとこんなにシリアスなお話だったのか!といろんな意味で驚愕しながら読んでました。……ミトラーダとハルさんのアレコレにも驚愕してましたが。
今回は終始シリアスモードのハルさんの男前度が素晴らしく、シーカに感化された気遣いにもぐっと来てしまいました。そして男前といえばここぞという時に頼りになる男、ドゥルガさん。腰ミノ男であることをすっかり忘れてしまうほどの有能さににやにやしてしまいました。
シーカが使節団に残した想い、そしてシーカのために一致団結するへっぽこ使節団の面々の活躍がとても格好良かったです。

敵対勢力の謎など(じっくり読み込んでないので)若干理解し切れていない部分もありますが、総じてはそこそこ満足な最終巻でした。しかし、欲を出せば最後に後10ページ、いや10ページとは言わないから5ページとか3ページくらい付け足してっっっっっ!と拳を握らざるを得ませんでした。妄想で補う……。

imgグランドマスター!名もなき勇者の物語
樹川さとみ/松本テマリ
集英社コバルト文庫(2010.10)
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