竜の夢見る街で3 / 縞田理理

本の感想, 作者名 さ行縞田理理

エレンの弟コーディがケヴィンの生まれ変わりではないかと疑ったキャスは義母タニアに虐げられているコーディを勝手に連れ出す。キャスから不穏な連絡を受けたコリンは、エレンとトッドと三人でキャスの足取りを追うことにする。

綺麗な大団円で満足です。

最後のドラゴン・キャスとキャスにかかわってしまったジャーナリスト(の端くれ)コリンが繰り広げるイギリス舞台のドタバタもの。キャスの探す「ケヴィンの生まれ変わり」はいったい誰なのか……!というところが明かされる最終巻でした。キャスの語るケヴィンが結構ひどい人でどんな人かなぁと思っていましたら、今回(いろんな意味で)はじめてまともに登場のケヴィンがなんだかキャスの語った通りの人で面白かったなぁ。
あ、キャスサイドは良かったんですが、悪役が浅すぎたのがちょっともったいないな、と。基本はほのぼのなお話なのでしょうがないのかもしれませんが、もうちょっと手応えというか何というかを求めたいところ。やることはえげつなかったんですけどね、それにしては浅いな、と。

あっと驚きのコリンとケヴィンの関係が明かされた本誌収録分の本編も面白かったんですが、個人的にはおまけの短編が素敵な後日談でとても良かったと思います。本編でもかっこよかったトッドさんが一番(いろんな意味で)格好良かったわ!(ほめてます)

img竜の夢見る街で3
縞田理理/樹要
新書館ウィングス文庫(2010.07)
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