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華葬伝~Flower Requiem~ / 久遠

4000年前の神殺しにより輪廻転生のシステムが起動しなくなってしまい、死した人の魂が幽鬼・謫仙となって人々を脅かす世界となっていた珠罌牢。ある事件で記憶をなくした幽冥は死んだ兄の後を継ぎ「贄人」を護る「義人」となるが、初めての謫仙との戦いで気を失ってしまい……

濃いお話でした。

第一回台湾角川ライトノベル大賞・金賞受賞作の邦訳上下巻。いつものビーンズと思って読むとえらい目にあうよ[1]、と、物語の舞台というか背景をつかむのに上巻を費やすくらいの勢いでした。主人公が記憶を失っており、その記憶を埋めるために歴史をたどっていく、という場面が各所に見られ、読者も一緒にこの世界の理解を深めていく、という構成でした。なんせ主人公が何も分かってないので、一緒に何も分からない読者もモヤモヤ感を共有、できるような気がします。下巻になると物語が一気に転がっていくので、これは上巻であきらめるのはもったいないと思います。

読み始めてすぐにえらくシリアスでダークで耽美で暗い話になりそうだな、と思っていたら、その通りで、なんというか、読了後ひっじょうに寂しいというかそこらへんのどんよりを抱え込みました。私、久しぶりに(ネタバレネタバレ)エンド読んだ……。
だからといって面白くないと言うことはなく、翻訳もので躓くことが多い私も一度も躓かず(読書スピードはそんなにでなかったのですが)、終盤に次々明かされる「神殺し」の真実と「再び繰り返される」物語については素直に驚いて、もう一度上巻から読んでしまって、ああこことかそことかそういう伏線ね、といろいろ感心してしまいました。

ドシリアスで凝りに凝った設定のお話を求められるのであれば、これはツボにはまるんじゃないかなと思います。

img華葬伝~Flower Requiem~ 上
久遠/根木桂子(訳)/Izumi
角川ビーンズ文庫(2011.01)
bk1/amazon

img華葬伝~Flower Requiem~ 下
久遠/根木桂子(訳)/Izumi
角川ビーンズ文庫(2011.01)
bk1/amazon


  1. あらすじからえらく硬派な気がしてたんで個人的には大丈夫でしたが…… []

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