身代わり伯爵の花嫁修業III 禁断の恋の手記 / 清家未森

本の感想, 作者名 さ行清家未森

婚約式を間近に控えたミレーユに出された第三の試練は、今巷で流行の「禁断の恋の手記」の作者を捜すことだった。引き続きのミレーユ姫と第五騎士団のミシェルという二重生活で試練に挑むミレーユだが、リヒャルトの従兄フィデリオがミシェルに並々ならぬ関心を示しはじめ……

エドパパ、がんばった!

花嫁修業編3冊目は、どう考えてもミレーユのことをすっぱ抜いたとしか思えない手記の作者を捜すために東奔西走するミレーユが、ミシェルになぜか猛アタックをかけるフィデリオに四苦八苦し、未だにシアラン王宮でくすぶり続ける純血派の引き起こす事件に巻き込まれたお話。
合間に挟まれる「塩を持て!」のラブ甘っぷりにゴロゴロし、なんだか読めないフィデリオにやきもきし、お兄ちゃんの超人ぶりに「フレッドだからな」と達観した気分になりました。濃ーい登場人物各人が入れ替わり立ち替わりおかしなことをしていくので、息つく間もなく面白かったです。ミレーユとリヒャルトのお互いを想う気持ちも相変わらず熱々で、余人が立ち入る隙がなくて素晴らしい。

そんな中、今回一番の成長を遂げたのはエドパパかもしれません。(心の中で)血の涙を流して耐えたパパに思わず拍手を送りたくなりました(笑ったけど)。そして笑ったと言えば「ルド様」関係かな。押し切られそうだけど、こっちがどうなるか(本編中で語られるかは分かりませんが)本気で楽しみすぎます。

花嫁修業編はここで終わりとのことで、次回はアルテマリスへの里帰り編。久々のジークとリディの出番が楽しみです。

img身代わり伯爵の花嫁修業 III.禁断の恋の手記
清家未森/ねぎしきょうこ
角川ビーンズ文庫(2011.01)
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