天涯のパシュルーナ4 / 前田栄

本の感想, 作者名 ま行前田栄

筆頭巫女に第一王子と告げられてしまったトゥルラクは、国王暗殺容疑を晴らすために「神の裁定」と呼ばれる儀式を受けることになってしまう。相変わらず逃げ出す機会をうかがっていたトゥルラクだが、機会を逸し、気がつくと裁定3日前の神殿に。そこで、パシュルーナ神との対面を果たしたトゥルラクは、パシュルーナ神の真実を知る。

神様……。

王様になりたくないのに王様街道まっしぐらの盗賊出身のトゥルラクの物語、第4弾。今回もジェットコースターで面白かった!「神の裁定」は樽っぷりにちょっと笑ってしまいましたが、トゥルラクの悲壮感が伝わってきて面白かったです。そしてその後明かされる樽の由来も……ご先祖様、おもしろい人だ……。

パシュルーナが語る過去とその真実にワクワクしながらも、彼女のお茶目さに脱力しました。軽い調子ながらも、彼女の語るパシュクラム王国建国までの物語は非常に辛く、重いものでした。そして現在国が直面している状況もまたどうにもならないもので。そして現状打開のためにトゥルラクがアーミルと出向いた先でのあの人は……なんかすっごいひきだったので、あの仮面な人はどんな人なのか気になりすぎます。最終巻という次巻、心待ちにしています。

img天涯のパシュルーナ4
前田栄/THORES柴本
新書館ウィングス文庫(2010.12)
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