聖グリセルダ学院の事情 / 鮎川はぎの

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行鮎川はぎの

250年続く内乱がようやく集結したサディル王国では、次世代を担う人材を育てる場として名家の子女が通う全寮制の「グリセルダ学院」を開校する。暗殺者の村で生まれ育ったティエサは、兄の雇い主の姫君の護衛として一足先に学院に入学することになる。過去を隠して平凡な学生生活を送ろうとするティエサだが、学院一の有名人にその正体を怪しまれてしまう。

おもしろかった!みんなの祖父・主様素敵。

前作から250年後くらいのサディル王国を舞台に、暗殺業を廃業した暗殺者の卵(だった)ティエサが巻き込まれるワクワクドキドキの学園生活物語。前作読んでなくても全く問題ないです。
暗殺者の性として、ついつい日陰を歩いてしまうとか、殺気にすぐに反応してしまうティエサが面白かったです。そんなティエサの周囲には、ティエサと同じように隠された過去を持つ俺様王子様のキアス、きらっきらのさわやか騎士様なのに実は暑苦しい変人ネージュ、男装少女のフィムにティエサの村の守り主の主様と手堅く面白い人物がてんこ盛り。主様は、いいなぁ……昔気質のみんなのおじいちゃんポジションで(笑)。って、主様ってあれですよね、アレ(と前作からのあれこれ)。

新しい時代の自分の居場所を守るためにがんばる女の子と、そんな女の子のがんばりに感化されて動く男の子……これにもえずに [1]萌えでも燃えでもどこにもえようか!という感じにお気に入りです。恋愛模様は今のところ薄いんですが、ちょっと期待できそうだし(今くらいの距離感のままも面白いですが……!)、寄宿舎モノの醍醐味・女の子の友情ターンもかなりいい感じでして……、続きも楽しみ!

img聖グリセルダ学院の事情
鮎川はぎの/凪かすみ
小学館ルルル文庫(2011.01)
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References

1 萌えでも燃えでも