伯爵と妖精 あなたへ導く海の鎖 / 谷瑞恵

本の感想, 作者名 た行谷瑞恵

妖精国への道しるべを探すリディアたちは、手がかりとなる「リオネス」の地についての情報を集めていた。一方、プリンスの意識を抱えたエドガーは、組織をまとめるために自らの想いと決別することを決意するが……

エドガーが辛い。

ついにプリンスとしての力を解放したエドガーと妖精国への道を探すリディア。離れてても心は一つ、とは言い難い状況で読んでいていろいろ辛かったです。どんなエドガーでも、最後はエドガーの味方になると言うリディアの決意と、リディアのために彼女から離れプリンスとしての衝動と戦うエドガー。特にエドガーサイドは、フリなのか本心なのか、序盤の彼の行動が読めなかっただけにはらはらしてしまいました。ふたりだからこそ乗り越えられるものがあると信じていますが……

で、今回の癒しもレイヴン・ニコさん・ケリーのミラクルトリオ。シリアスなシーンに何やってるの、と思いながらクスリと笑ってしまいました。ニコとレイヴンでのシリアスなシーンもあったんだけど、そしてニコが久しぶりに大変活躍したシーンもあったんっだけど、この三人が並ぶとちょっと安心してしまうのです。これからも変わらぬクオリティでつかの間の癒しを醸し出してほしいです。

img伯爵と妖精 あなたへ導く海の鎖
谷瑞恵/高星麻子
集英社コバルト文庫(2011.03)
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