夢の上2 紅輝晶・黄輝晶 / 多崎礼

本の感想, お気に入り, 作者名 た行多崎礼

夢売りが語る「彩輝晶」の次のふたつの物語は、光神王の後宮に入り、滅ぼされた故郷への復讐を果たそうとする一人の女性の物語の「紅輝晶」、そして王になるために騎士を目指す少女を守る、一人の騎士の物語「黄輝晶」。

ふたつとも、なんと言葉にしたらいいのか分からない圧巻の物語でした。

一つの物語が全3巻で合計6名の視点で語られることになる、「夢の上」第2巻。アライスの母・ハウファの物語と、騎士を目指す少女・シエラを守るダカールの物語との2編収録。どちらも大変濃密で、物語を読んだ!という大変満足しつつも涙腺決壊数秒前になりながら読んでいました。
取り扱う出来事は一つなんですが、その出来事の周辺で何が起きていたのか、あの人は何を思っていたのかということが徐々に明かされていくので、どういう結末か分かっていても(とはいっても、大まかなことしか分かっていないし、この物語で新たに語られる部分も多いのですが)たるむことなくぐいぐい読ませます。個人的には、第1巻と同じく、想いを秘めて付きそう騎士の姿というのが……もえですね、いや今回は燃えのほうのもえですが。そして第1巻より切なさは少ないんですが、最後の最後でええええええ!っとなったので早く最終巻を読まねばなりません。

たぶん、最後のふたりはそれぞれの立場から王を目指したふたりの話と思うのです。黄輝晶の最後にたどり着くまでのところですっぽり抜けている部分が濃密に語られる事かと思いますので、続きも読まねば。

img夢の上2 紅輝晶・黄輝晶
多崎礼/天野英
C-Novels Fantasia(2011.01)
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