お嬢様と恋する錬金術師 / 薗田愛琉

本の感想, 作者名 さ行薗田愛琉

大好きな義姉が憧れの王子様の花嫁になるために必要な王家への貢ぎ物を入手するため、久遠の森にいるという変わり者の錬金術師を訪ねたチェリルは、貢ぎ物の制作を手伝うことになる。

童話みたいなお話でした。

今月新創刊のさらさ文庫の創刊ラインナップの一冊。サイトにバナー貼って宣伝したら贈呈しちゃう!というキャンペーンに乗っかって、創刊ラインナップ4冊中3冊ほど頂きましたので、目をつむって選んで一番最初に読んだ本の感想をば(どの作者さんもよく存じ上げていないので……)。

まず一冊目は、web上で連載されている「裕福な商人の妾腹の娘が、森に住む錬金術師と恋に落ちる」お話。お嬢様と錬金術師の出会いを描いた100ページほどのお話と、錬金術師に弟子入りしたお嬢様が初めて依頼を受ける150ページほどのお話の二編収録。どちらもなんとなしにほんわかしてしまうようなかわいらしい物語でした。そして、二話目のオチはちょっと予想外。依頼人のお嬢さん、そっち方向か……。

全体的にはほんわかしていて雰囲気としては割と好みのお話なんですが、肝心の恋模様はあんまり書き込まれていなくてちょっと残念かな。錬金術師もお嬢様もお互いに惹かれてるのが結構唐突に感じて、もうちょっとじれじれ感を!と思わずにはいられません。あと、「ちょっと大人」部分は先行している某レーベルとは比べものにならない程度のものがありましたが、なんといいますか、このお話に関して言うとない方がすっきりして良かったんじゃないかと思ってしまったり……。今回、作ってるものがものだけにネタ的にはアリなんだけど、もうちょっと控えめの方がいいのかなとかなんとか。

imgお嬢様と恋する錬金術師
薗田愛琉/ことね壱花
さらさ文庫(2011.07)
bk1/amazon