はなかおる~淵国五皇子伝~ / 古戸マチコ

本の感想, 作者名 か行古戸マチコ

第三皇子・郷の姉ターチェが淵に帰ってきた。ターチェの帰郷と、善とのとあるすれ違いが重なり、ターチェの前で自分の恋人は繁だと言ってしまったカナン。そして当の繁はターチェに求婚されるものの頑として彼女の申し入れを受けない。なし崩し的に繁の屋敷に逗留することになったカナンは……

律がやっぱりかわいすぎる。

呪いをかけられた皇子様たちと、皇子様の呪いを解く鍵となるカナンのドタバタ王宮ホームコメディ(ただし皇帝がかなりやっかいそうなので陰謀もきっとあるよ!)第3巻。2巻の大熊猫仮面に引き続き、3巻は裸女というなんともコメントに困る素敵戦力の投入となりました。なんか、最近、少女小説で全裸をよく見る気がする……。いや今回の裸はちゃんと理由があって、そして最後はそこら辺がキーとなってかなりドラマティックな展開なんだけど。現代日本を物差しにして考えちゃだめだダメ……。

そんなことはさておき。善とカナンの恋模様と、皇子様たちの兄弟の絆がいつも通り素敵で面白かったです。今回はパワフルな姉が加わり、ドタバタ具合に拍車がかかりました。皇子様たちも大概変だけど、このお姉ちゃんもかなり強烈で、面白かったです。郷が暴走して善とカナンに一石を投じながらも(律もこれくらいの積極性を……いやでも片隅でふたりの様子を見てときめいている彼がかわいい)、カナンの決意がかっこよくて一安心でした。しかし、皇帝様がかなりやっかいなことを企んでおられるそうなので、そのあたり今後どう問題になっていくのか続きも楽しみです。

imgはなにおう~淵国五皇子伝~
古戸マチコ/鳴海ゆき
一迅社アイリス文庫(2011.06)
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