リーディング 司書と魔本が出会うとき / 隼川いさら

本の感想, お気に入り, 作者名 は行隼川いさら

本を愛するリィナは、エルグリッド大陸図書館の新米司書の期待のホープだが、なぜか配属されたのは他の司書達からさげすまれる「地階位」。リィナがここに配属されたのは、地階位が帯びるある密命に関係するらしく……

カエル王子がおもしろいね!

第9回角川ビーンズ小説大賞読者賞受賞作品。魔にとりつかれた「魔本」を消滅させたり浄化させたりする能力である「リーディング」と呼ばれる力を持った新米司書が、「魔本」騒動に巻き込まれるお話の第1巻。

地階位の面々(とはいっても、リィナを入れて4…、いや5人しかいないけど)がなかなか個性的でおもしろかったです。ヒーローポジションの過去にいろいろあったジーンよりも、カエル王子がおもしろかったよ!飄々としてるけど実は腹黒くて、でもある信念を持ってるっていう立ち位置がいいですね!リィナの本好きのあれやこれやのネタがおもしろかったり、ねちねちしたいじめに果敢に立ち向かっていく姿がかっこよかったりと、非常に好みのヒロインだったのもよかったです。
そして、この世界の隠された歴史関係に広がりそうな物語の展開もわくわくしますねぇ……!さくっと読めるキャッチーさの中にどっしりしたところがあって、ああ、これは読者賞だなぁと思いながら読んでおりましたが、続きも読んでみたいな、と思ってるんですが、最後のエマさんだけはちょっともったいないと思うの!まだまだおいしいところというか本領発揮してないと思うわ!

imgリーディング 司書と魔本が出会うとき
隼川いさら/山本佳奈
角川ビーンズ文庫(2011.08)
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