姫君返上! 民を守護する者 / 和泉統子

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行和泉統子

療養と称して藤花選定候領に滞在中のアレクの元に、帝国への隣国からの侵略とそれに対して選定候たちが動かないという報が届けられる。アレクを盾にジーク皇子の出陣を阻止しようとするという藤花選定候の思惑にアレクは……

アレク、最後まで不憫な子……。

故有って男の子なのに皇女として育てられたアレクが、「姫君返上!」したいしたいと帝国内の騒動に巻き込まれるお話最終巻。さて、いよいよタイトルにある「姫君返上!」になるのですが……結果は、読んでのお楽しみ。なんというか、いつも一人で墓穴掘って墓穴にはまって墓穴を埋めているように思うアレクらしい終わり方だったなぁと思います。
不憫だかわいそうだと思いますが、しかしそこに至るまでのアレクは本当に成長したなぁとひな鳥を見守る親鳥の気持ちでした。「帝国の子」として自分にできる道を突き進んでいくアレクは格好良かった!皇女姿だけど。いや、皇女姿だから余計にかっこいいのかも。

最後のエピローグのほほえましい兄弟のふれあいなんかドンピシャで好みで、ニマニマしながら読んでいたのですが [1]仲良し兄弟スキー的においしすぎる、なんとさらに秋に発売される本誌でお姉ちゃんの結婚式の書き下ろしが掲載されるらしく!本誌デビューしようと思います。

※このシリーズを機にイラストを描かれているかわい千草さんの「101人目のアリス」(既刊5巻)を一気読みしてみたんですが、とても好みでした。元気のいい男の子が音楽院で奮闘するコメディでおすすめっす。

img姫君返上! 民を守護する者
和泉統子/かわい千草
新書館ウィングス文庫(2011.08)
bk1/amazon

References

1 仲良し兄弟スキー的においしすぎる