銀の竜騎士団 王女とウサギの秘密の王宮 / 九月文

本の感想, 作者名 か行九月文

国交が断絶していた帝国から水面下で接触があり、「世継ぎの王女」として非公式に帝国の第三皇子の接待をすることになったルーシェ。その側役として黒竜公としてスメラギがつくことになる。未だに自分の正体をスメラギに伝えられていないルーシェは、腹をくくるが……

スメラギさん、粘りますね!

身分を隠して騎士団に入団した王女様と、彼女を預かることになった隊長さんの物語2冊目。今回、これはいくら任務関係以外には鈍い隊長でも王女様の正体に気付くだろう……という設定だったんですが、まさかの素晴らしい鈍感ぶりを発揮したスメラギさんが見事に避けていかれたのが面白かったです。これは、避けているというかむしろ「あえて気付かないようにしてる」としか言いようがないんだけど……!バレるバレるとドキドキしているルーシェがかわいく、面白かったです。

帝国との緊張関係、そしてやってきた皇子との交流に巻き込まれる陰謀、ルーの成長にスメラギとルーシェの絆と見所たくさんでとても楽しかったです。今後の展開が非常に気になるのは、板挟みのカイト君ですね!素敵な同僚は気苦労も多い模様。是非がんばって強く生きていただきたいです。

それにしても、イラストの明咲さん、いつもいい仕事されるんですがこのシリーズは特に素晴らしくて意味もなくギャーと叫んでしまいそうになりました。少女小説っていいなぁ。

img銀の竜騎士団 王女とウサギの秘密の王宮
九月文/明咲トウル
角川ビーンズ文庫(2011.10)
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