アルトレオの空賊姫 暁天の少女と世界の鍵 / 神尾アルミ

本の感想, 作者名 あ行神尾アルミ

魔法と科学が融合する世界で、空賊団アルトレオを率いるヤフェトは、飛空艇の動力源となる”魔石”の探索中にイスカと名乗る不思議な少女を保護する。自分の名前と弟を助けたいということしか覚えていないイスカをとりあえず次の街まで同行させることとしたヤフェトだが、アルトレオは途中ルバトの軍艦に捕捉されてしまう。

お空はロマンだなぁ。

記憶をなくした少女イスカ、空賊団のアニキ・ヤフェト、そして感情を失った青年軍人・ルヴェンさんのお空のロマンの物語。科学と魔法が程良い具合に同居し、絶大な力を持っていたのに滅びた魔法国だの飛空艇を動かすための魔石だの…ロマンだ!ロマンがてんこ盛りでした。

イスカに助けられ、そしてイスカと触れ合ううちに徐々に人らしくなっていくルヴェンの様子も良かったし、アルトレオの中になじんでいくイスカとルヴェンの様子も好きだし、何よりラスト近くの「名前」の部分は今までのイスカとルヴェンのやり取りがあるからぐっときました。
もちろん、ヤフェトの兄貴っぷりとアルトレオの愉快な仲間たちも面白かったです。

イスカの謎は明かされてはいますが、ルヴェンの「大佐」なんかも不気味で気になる……思わせぶりな伏線がたくさんで続きでなかったら反則だと思います。でないかな~。

imgアルトレオの空賊姫 暁天の少女と世界の鍵
神尾アルミ/柊暁生
アイリス文庫(2011.09)
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