海上のミスティア 道化師と恋に落ちた騎士 / 梨沙

本の感想, 作者名 や~わ行・他梨沙

訓練船ルティアナ号を守る「女神・ミスティア」に無事就任したエダは、彼女を守る五人のミタスとともにルティアナ号の指揮をとるべく、猛勉強をしていた。そこに、珍しい中途入学の双子の姉弟がルティアナ号に乗船することになる。さらに、途中で寄港することになったランドロールは、ミタスの一人・ロウェンの出身地で、彼の実家がルティアナ号に乗船する学生勢員を屋敷に招待することになり…

HENTAIさんがきた!

1巻に引き続き「全体的につっこみたくてつっこみたくて仕方がないのに、なんだかおもしろいよどうしよう」という、訓練船(ほぼ軍艦)を舞台に繰り広げられる愛と勇気と成長の物語第2段。
ミタスの一人・ロウェンの過去が明かされるのと、彼の不治の病(恋)発症編、そしてさらに謎の双子がルティアナ号をひっかきまわして…というお話でした。

ライハルトの天然をふりかざしながらのヒーローっぷりや、ロウェンの恋に悩む様子が面白かったのですが、それを凌駕してしまうHENTAIさんの存在感の強さが、えーと、予想外。おもしろいような腹立つような、微妙なポジションですねこの人。
腹立つといえば、途中のストレスのたまる展開にもやもやとしつつ、そこからのエダの決意とその行動に思わずぐっときたりと、今回も容赦のない展開でなかなか侮れません。でも、ね。突っ込みたくても突っ込むの我慢してたんですが、最後のエダの「言わない」はちょっとなぁ…曲がりなりにも「軍艦」なんだからなぁ、ありえないわ!と思ったり。しかし、もやもやしながらも続きが気になるほど、人間模様が面白いので続きも読んでいきたいです。

img海上のミスティア 道化師と恋に落ちた騎士
梨沙/凪かすみ
アイリス文庫(2009.11)
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