王立エトワール近衛隊 氷の薔薇に敬礼を / 栗原ちひろ

本の感想, 作者名 か行栗原ちひろ

士官学校を飛び級の上優秀な成績で卒業したアルだが、配属先は主席卒業者が配属されることが考えられないような「お飾り部隊」のエトワール近衛だった。怖ろしい美貌の持ち主のシャリオとその右腕のフラム、さらに妙にキラキラしい隊員の面々に、主業務はご婦人方の「おもてなし」。自分の存在意義を問い直したくなるアルだが、実はエトワール隊にはお気楽業務以外の裏の顔があった。

おもてなし業務の今後やいかに。

イキのいい新人士官が不本意な部隊に配属されたものの、実は上司が超スゴイ人で、隊員もなんだかよくわからないけどスゴイ人ばっかりで、間近に迫った「隣国の王子と自国の王族の極秘結婚式」を妨害しようとする一派から結婚式の警護をおこなうことになる……というようなお話。

アルの真っ直ぐさが面白く、そしてシャリオの素晴らしい上司っぷりが素敵すぎてうらやましい限りでした。そうですよねぇ、全部責任取ってこその上司ですよねぇ(といろいろと……)。個性的な隊員の面々が面白かったです。口八丁と詐欺は紙一重。キラキラしてるけどフローラルな部分は足りないな、でもこの子可愛いな!でもきっとまだまだ活躍しなさそうだな、と思っていましたが、今回はその子が大活躍でうれしい誤算でした。しかし登場人物紹介のあのネタバレはいらない、ああ口がすべっちゃった!みたいな紹介(ので、もしまだ手遅れでなければすっ飛ばすことを推奨)。私は今この感想を書くために初めて登場人物紹介みたので大丈夫だったー。

アルがエトワール隊にスカウトされた理由はわかりましたが、彼がこれからその力を活かしていくかどうかはまだはっきりしていませんので、どうなるのかな?

img王立エトワール近衛隊 氷の薔薇に敬礼を
栗原ちひろ/櫻井しゅしゅしゅ
角川ビーンズ文庫(2012.03)
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