三人小町の恋 偽陰陽師拝み屋雨堂 / 田牧大和

本の感想, お気に入り, 作者名 た行田牧大和

演技力とハッタリで「(いかさま)陰陽師」としてそこそこ繁盛している吉次のもとに、訳ありの三人の美人の娘さんがやってくる。三人の中で誰が呪われているかということを調べて欲しいという依頼に、吉次は「弟子」のおこととともに事件の真相を探ろうとする。

おことちゃんが可愛すぎて悶絶した。少女小説読みの人なら楽しめると思うなぁ。

イカサマ陰陽師・吉次とその養い子にして12歳ですべてを悟っている女の子・おこと、そして吉次の腐れ縁?の狂言作者の甲悦が繰り広げる、江戸時代の町人物のちょっとだけミステリー [1]だれがなんと言おうとも、私の中ではミステリーです。の一冊。「なまくらどもの記録」さんでおすすめされているのを拝見してチャレンジしてみたんですが、本当に面白かったです!これはよい歳の差……もの?いやまだそこまで発展してないけど。吉次パパと甲悦さんがおことちゃんを好きすぎて好きすぎて、おことちゃんの知らないところで悶々としているところがツボ過ぎました。わー、これはニヤニヤせざるを得ない。

と、おことちゃんの可愛さと健気さにめろめろになりつつ、「三人小町の恋模様」の結末は思わぬところに進んでいき、なんとも切ない結末に。切ないとはいっても、沈み込むこと無く、未来が見える結末だったんですがただ「軽い」だけのお話じゃなくてよいなぁと思いました。女の子の友情は素晴らしい。

とても気に入ったのでぜひとも続編を期待したいところです。「おことちゃんに婿を!」とかなりいところまで話がまとまりかけたにも関わらず、やっぱり最後にお前なんかにおことをやれるかと吉次さんがかっさらっていく、っていうところまでは妄想しました。

三人小町の恋―偽(いかさま)陰陽師 拝み屋雨堂 三人小町の恋 偽陰陽師拝み屋雨堂
田牧大和
新潮社(2011.11)
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References

1 だれがなんと言おうとも、私の中ではミステリーです。