乙女なでしこ恋手帖 壱 / 深山くのえ

本の感想, お気に入り, 作者名 ま行深山くのえ

華族の生まれながらも生後すぐに平民の家に養子に出された千鶴は、育った家の窮地を救うために十六歳にして子爵である東明家に復籍する。しかし、復籍したのもつかの間、千鶴は借金で首の回らなくなった東明家の「東明喜和子」として、借金先の「大つき屋」に嫁ぐことになる。

大正時代のシンデレラストーリー。おもしろかったー。

平民育ちの華族の千鶴が、借金の方に平民である要に嫁ぐことになったけど、要は華族が嫌いでなかなか打ち解けてくれなくてどうしよう!というお話でした。
無為無策にお金を浪費する上に、シンデレラの継母子の如く千鶴につらくあたる東明家が本当に嫌な「悪役」で、こう、うまく言えないのですが千鶴ちゃんはやく幸せになって!と思わずにはいられない展開。最後は千鶴と要が和解することは(少女小説的に)わかっていたのですが、本当に今巻でなんとかなるのかいな、とちょっと心配だったのは事実です(笑)。要さんは、お仕事と称して引きこもっちゃうしで影薄く、主に千鶴ちゃんの健気さと前向きさを応援しつつ、さっさと反撃しちゃえ(東明家に)という妙な期待を抱きつつ読んでおりました。

奥様は女学生、というお話だと(事前に)聞いておりましたので、大正時代の女学生さんのキャッキャうふふが楽しめるのかなぁ、と期待していたのですが、わりに序盤で嫁入りのために退学してしまったので序盤のみ、かな。そんな中で千鶴の心強い親友・蘭子さんが最初も最後もかっこよかったです。女の友情素敵。

要さんは千鶴ちゃんにデレるときっと絵柄が良い方向に変わっていくんだろうなぁとニヤニヤしつつ、次も楽しみなんだけど、このお話がルルル文庫じゃなくてマンガのレーベルで出ている意味がよくわからない……。

乙女なでしこ恋手帖 壱 (フラワーコミックス)乙女なでしこ恋手帖 壱
深山くのえ/藤間麗
小学館(2011.11)
amazon/honto