戦う王女と凱旋の騎士~神とある国の物語~ / 剛しいら

本の感想, 作者名 か行剛しいら

神様の力で少年カイルの姿になったミーナは、戦の準備をすすめるイライザの協力者を探すためにハッシュウィルの宴にミーナをさらった「イアン」として参加する。ゴシュラムからの客人を迎える宴では、さらわれたミーナを取り戻すためにやってきたエバンズやミーナの兄たちとカイルは鉢合わせしてしまう。

義理人情にあふれる「神様」いいなぁ。

神様とミーナの物語の締めくくり、親世代から続く因縁を断ち切り、各国が新たな一歩を踏み出した物語でした。

ミーナが仲間やあこがれのエバンスに神様との秘密を打ち明け(たり悟られたり)、イライザの野望をぶち壊していく展開はやっぱりすかっとしてよいなぁ、と安心して楽しめるお話でよかったです。元気なミーナとちょっと暗い(根暗……?)のエバンスならきっとうまいこと行くだろうなぁ、という余韻のあるラストシーンがなかなかお気に入り。そしてよいといえばやっぱり「妙に世話焼きないいおにーちゃん」っぽい神様がいい味だしていて、相変わらずで!

派手さはないものの、好きなシリーズですので、神様の妙に脱力しそうな新たな活躍は……のんびり期待。

戦う王女と凱旋の騎士~神とある国の物語~
剛しいら/佐倉汐
ビーズログ文庫(2012.07)
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