シャイターンの花嫁 魔眼王子と囚われの巫女姫 / 栗原ちひろ

本の感想, 作者名 か行栗原ちひろ

精霊王の巫女となったアイシャと、父王に代わり国を治めるカファスは結婚まであと一歩の所まで来ていた。ふたりとも忙しくなかなか時間がとれないでいた。ある宴でアイシャが助けた吟遊詩人イーサーの歌声を披露することになったが、その詩人はある目的を持ってアイシャに近づいており……。

あ ま い!

前巻で一応決着のついているアラブっぽい世界を舞台にした「戦う巫女様(になった)」っぽいアイシャと、アイシャにめろめろになったカファスのその後の物語。あれ、この二人こんなに甘かったっけなぁ、甘いよ甘すぎるよ!と思いながら読んでいました。ご、ごちそうさまでした……(栗原さんの物語でここまで甘いのって、私読んだの初めてじゃなかろうか……)。

甘い甘いとは言いつつ、記憶を奪われ、幽閉されたアイシャがどうやって脱出するのかなぁというあたりはハラハラドキドキでした。記憶のないアイシャとカファスの邂逅がよいラブでしたね。隠しても隠し切れないいとおしさ的なアレ。しかしながら、個人的に一番美味しかったのは「最後に勝つのはわたしですけどね、ふふん」という態度のアイシャに付き従う精霊ナーギです。ナーギかわいい。犬扱いされてると余計に可愛い。

シャイターンの花嫁 魔眼王子と囚われの巫女姫
栗原ちひろ/結川カズノ
一迅社アイリス文庫(2012.07)
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