初恋グランギニョル / 鮎川はぎの

本の感想, 作者名 あ行鮎川はぎの

家の方針で引きこもってゲーム道を究めんとするお嬢様・遥は、ある日届いた一通のメールの招待(挑戦)を受け、孤島で開催されるという『ヴィエルジュ・ヘルツ』というゲームに参加する。そのゲームは参加者が不変不滅の愛を証明するという「恋愛ゲーム」で、参加者同士で協力してゲームに挑まなければならない。恋愛ゲームに興味のない遥は傍観モードに入ってしまうが、ゲームが進むごとにただの「ゲーム」ではなく、進め方によっては命にも関わるという展開になってきて遥はついに本気をだす。

最後までどうなるかわからなくて、面白かったー!

鮎川さんの新作は、現代の孤島で繰り広げられる謎のリアルゲームを題材とした「ラブミステリー」でした。普段あんまりこういうの読まないのでいろいろ新鮮で面白かったです。なんだかわりあいトンデモ設定なので、序盤若干いいんかい、と思うところもあったんですが気にしたら前に進めないのでそのあたりさらっと流したらすごく楽しめました。
遥がひきこもりのお嬢様でわりと遠慮なしに(口で)ざっくざっくやっちゃったり(でも可愛いんだけどね、遥ちゃんクオリティ)、その他登場人物にいろいろ思うところはあれど、ストーリーが謎に包まれていて、どうなるのかなぁと話の筋を純粋に楽しんで読んでいました。序盤の雪ノ下家のやりとりから軽めのコメディかと思ってたんですが、わりとシリアス方面。誰が裏切り者か、誰が黒幕かと、このドキドキ感がたまりません。

タイトルになっている「初恋」方面もなかなか良かったです。クール・不思議ちゃん・硬派・変態・クズ(後書き参照)と各種取り揃えております。このツンデレめ……!(お約束だけど、このお約束がいい) 一冊でまとまっているといえばまとまってますが、続けようと思えば続けられそうなお話なのでもし続編がでたらまた読みたいです。

初恋グランギニョル
鮎川はぎの/結賀さとる
小学館ルルル文庫(2012.07)
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