俺の悪魔は色々たりない!白の祓魔師と首だけ悪魔 / 時田とおる

本の感想, 作者名 た行時田とおる

復讐のため大悪魔サブナクと契約したイトは、成長し祓魔師として働きつつ、「首だけ」のサブナクの本体を探していた。赴任先の近くの街で悪魔が出たという知らせを受け、天然系の司教と空気が読めない神父と不良聖女らとともに現場に向かったイトは、道中不思議な青年を助ける。

いろいろ足りなかった……かも……。

第10回ビーンズ小説対象奨励賞受賞作品。これはいわゆるビーンズのニアホモ系というやつですね。嫌いなジャンルじゃないんですが、なんというか、これはちょっといろいろ足りないお話だったかなぁ、と。足りないのは悪魔の体、なんですが物語的にもイマヒトツ感が。

サブナクの「世界を滅ぼしかけた大悪魔エピソードの真相」のところや、イトの一族との関係やらは、ベタながらもなかなか興味深かったんです。しかし、この物語の売りであろう「ちょっとずれた人たちのやり取り」や「各キャラクターのこだわり」、「破天荒な聖女様の破天荒な行動」が読みながら乗りきれないなぁ、とかなんとか。わたし、パルティータ様系のおねーさま大好きなはずなのに!あ、でも無駄に暑苦しい空気読まないレント君のおせっかいは好きですよ。あの報われない感が楽しい。もうちょっとこなれてきたらずずんとノンストップで読めるタイプの物語になりそう、と感じました。

俺の悪魔は色々たりない!白の祓魔師と首だけ悪魔
時田とおる/サマミヤアカゲ
角川ビーンズ文庫(2012.09)
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