小説ちはやふる 中学生編ニ / 時海結以

本の感想, 作者名 た行時海結以

地元福井に戻った新は、祖父の介護とかるたの練習を両立させていた。永世名人である祖父のかるたの再現を目指す新だったが、祖父の病の進行とともにつきつけられる現実に新は……

いろんな人がちょこちょこ出てるのがなんだかよかった。

マンガの小学生編と高校生編の間を埋める、中学生編2冊目。今回は福井県に戻った新がメインのお話で、結末がどうなるか分かっているだけに読みながら非常に重たいものを感じていたのですが……思ったよりも希望を感じる展開だったのが救いかなぁ。最後のページのその次に起こることを知っているから、希望のすぐそこに谷底を思い描いてしまいつらいのですが。お気楽かるたバカ(=ちはやちゃん)がいないだけでこれだけシリアスなのか!と再確認したお話でもありました。

全体的には前巻に引き続き丁寧に描かれていて、読み応えがありました。新が祖父を始めとしていろんな人からかるたを「受け継いで」いくところがよいなぁ、と。そして新が行く所行く所に、本編(マンガ)で出てくるいろんな人がいらっしゃって、この時からこの人達はこうしてかるたをされていたんだなぁ、とおもわずにやっとしてしまうところも多かったのが楽しかったです。

小説ちはやふる 中学生編ニ
時海結以/末次由紀(原作)
講談社(2012.12)
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