宮廷神官物語 ふたりの慧眼児・慧眼は主を試す / 榎田ユウリ

本の感想, 作者名 あ行榎田ユウリ

都に「慧眼児」の偽物があふれるという事態に、藍晶王子は「慧眼児」たちを宮廷に集めるという対応をとる。その中に、どうやら何かしらの力を持つらしい少年がいた。もう一人の慧眼児と認められた少年と「見極め」を行うことになった天青は、その勝負に負けてしまい修行と称して故郷の村に帰ることになるのだが……

干しいも……

ちょっと物語に動きのあったシリーズ4巻、5巻。勝手に「慧眼児ニセモノ編」と名付けてまとめてひとつ。
ある「能力」を持った少年が、悪役に脅されて慧眼児のふりをするという、王道ながらもどういうふうに天青がカムバックするのか、という展開でなかなかおもしろかったです。今回、天青の里帰りに同行したのが我らが櫻嵐様で……いやー、このひと美味しすぎる。ファンクラブできてる(笑)。ババ様と妙によいコンビネーションを発揮されておられるところが楽しかったです。
あと、天青の修行の結果が「干しいも」って!「干しいも」って。干しいもを選んだ彼だからこそ慧眼に認められた、というのはあると思いますが、あそこで干しいもを選ぶ天青はさすがです。

で、今回更に大きな「悪役」が出てこられたようなのですが、この人はだれかなぁ……。私、大穴で国母さまと思ってるんですが!それでもって、良い人過ぎる苑遊様も怪しすぎると思ってるんですが!どうなんだろうな、そこらへん。
ただのいい兄貴ポジションと思われていた曹鉄もなにやら陰謀に巻き込まれそうだしで(と言うかむしろ渦中の人になるんじゃないかと予想。重要アイテム持ってるし)、雲行きが怪しくなって参りました。鶏冠周辺は、穿った見方しなくてもBL的な雰囲気プンプンしてるんですが(その行間になんかあるだろう!的な)、なんというか、このシリーズはそれほどその辺りが気にならないので……(いや、わたし、BL的なものも読めるので気にならないだけかもしれませんが)、このくらいなら別にどんと来いだなぁ、と思いつつ続きも楽しみ。

宮廷神官物語 ふたりの慧眼児
榎田ユウリ/カトーナオ
角川ビーンズ文庫(2009.01)
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宮廷神官物語 慧眼は主を試す
角川ビーンズ文庫(2009.05)
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