銀の竜騎士団 ウサギ王女の光の王冠 / 九月文

本の感想, 作者名 か行九月文

敵国アズィールから外交ルートを通じ、「スメラギをアズィールの皇子として扱うこと」「スメラギとロレンシア王女の婚姻」が申し入れられ、その対応のためにルーシェは一旦王宮に戻ることにする。国の中枢からのスメラギの排斥を狙う貴族派と、王女として舌戦を繰り広げるルーシェだが、頼りになるはずのシリスがなぜか貴族派についてしまい、貴族派の描いたシナリオが展開しだし……

シリスさんは幸せになれるのだろうか。

王女さまと騎士見習いの二足のわらじをはいてるルーシェが徐々に王女さまにシフトしているシリーズの7冊目。ルーシェと隊長のきゃっきゃうふふはもうすでに安心の状況、というか、いろいろ政治的な難しさはあってもなんのかんのでうまいこと行くの確定だしまあいいか!という状態なのですが、その状態を盤石なものにせんとするルーシェの頼もしい従兄殿が、なんというか、危ういのがやきもきします。今回は「荒療治」にでたシリスの作戦が、本当に紙一重でねぇ……。家族に対するいろんな愛の形はあるとは思いますが、シリスは幸せになってほしいなぁ。

アズィール内でもいろいろゴタゴタがあるようで、はたしてルーシェと隊長の未来はどうやって丸く収めるのか、シリスはちゃんと幸せになれるのか、そのうち心労で胃に穴が飽きそうなカイトくんの命運やいかに!とわりと気になるところが多いので、本編早く進まないかなぁ(次は短篇集とのこと

銀の竜騎士団 ウサギ王女の光の王冠
九月文/明咲トウル
角川ビーンズ文庫(2013.02)
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